「質と意味が問われる時代における モノづくりの考え方」に参加してきました。

74日は「意味のイノベーション」というキーワードでも知られる、安西洋之さんのお話を聞きにMTRL KYOTOへ。「21世紀のラグジュアリーブランド」という、わりと門外漢なテーマでしたが、そういう事ほど学ぶものが多いです。
角度を変えてみたり、感じでみたり観察してみたりしないと物事というのは見えてこないですね。

質疑応答で、直感的なものを他者と共有する方法について質問したのですが、メタファーを用いたやり方を回答いただき、非常に参考になりました。
この辺りは先日須永剛司教授が仰っていた「芸術の知を科学の言葉で説明するのはやめませんか」といったお話に通じるものがあると感じました。

意味のイノベーションのお話のなか、デザイン思考との違いについても触れられており、

  • 「ユーザーの意見を聞くのではなく、観察する」
  • 「方向を決める直感的な判断」
  • 「審美性が意味を捉える」

といったキーワードを話されてました。

UXDやサービスデザインの手法で観察をしても、結局のところ自身の知識の収蔵庫が空っぽであれば問が立たない、といったXデザイン学校において浅野先生が繰り返しお話されていたことに通じるものがあります。
やはり、この辺は個々のメソッドのどれが正しい間違っていると考えるのではなく、横断的に理解したほうが良いんだろうなと感じましたし、個別のメソッド論に留まらないことがXデザイン学校の良いところだなと感じました。

また、質疑応答において、成功している企業が次のイノベーションを起こそうと思う「キッカケ」についての質問に対し、夫婦生活をメタファーとして「新婚時代にパートナーに喜ばれたプレゼント、10年後も喜ばれると思うなかれ。」と回答されていたのは面白かったです。
常に観察を怠らずにいれば「あれ?ズレてるぞ??」という事には気づけるはずだとのこと。あとはそこで変わろうとするかどうか、、なのですがさすがの例えだなと思いました。

この日のお話を聞いた限りでは、「意味のイノベーション」はデザイナーや経営者の個人的なスキルに依存する部分が大きいという印象を受け、共創・協創という概念についてどういう態度をとっているかについて気になったので、著書を読んでみようと思いました。

株式会社ナコード代表。 WEBサービスの事業会社や制作プロダクションを経て2018年に株式会社ナコードを設立。 主にWEBサイト・WEBサービス構築の領域で、UXデザインを活かした課題定義やプロジェクトマネジメントの領域で支援をしています。 人間中心設計専門家。