課題をいかにして自分事とするか。

昨日はThe DECKで開催された「新規事業の実現方法 0→1編 ~大企業の新規事業あるあると対応~」に参加してきました。

僕は大企業の人間どころか会社員ですらないのですが、企業で新規事業を担当されている方がどういった事を考え新規事業開発をすすめているのか?ということと、Xデザイン学校で進めている食品メーカーさん新規事業提案の参考にならないかと思い参加しました。

登壇されたお三方それぞれ面白いお話を聞くことができましたが、GIFMOの森實(もりざね)さんのお話が印象に残っています。

GIFMOさんは嚥下障害を抱えた方向けの「やわらか食」を簡単につくれるパナソニック発の調理家電ベンチャーです。

嚥下障害という言葉自体はじめて聞きましたが、要は食べ物を上手に飲み込めない状態のことで、見た目もあまり良くない流動食のようなものを食べざるをえず、食べることの楽しみが損なわれQOLが下がってしまうといった問題があるそうです。

それを解決するため、一般お食べ物の見た目を変えずに「やわらか食」にしてしまう魔法の調理家電を作ったとのこと。

実はこの「やわらか食」のアイデアは森實さんのものではなく、長期間の介護体験をされていた二人の女性から出たものだったそうです。

森實さんは実はこの話を最初に聞いたときは、イマイチ共感できなかったそうなのですが、どこかのタイミングで自分ごととして理解できたそうです。(右脳で理解できた、と表現されていました。)

最近は課題の質に関して考える事が多いのですが、課題を自分事として捉えられる事が重要である、ということは色々なところで目にします。

当初は共感できなかった森實さんが、どんなタイミングで強く共感し、プロジェクトを推進立場としてバリバリ活動されているかが気になり、懇親会でご挨拶した際に質問してみました。

当然、前出の二人の女性の影響が大きいとのことでしたが、それに加えて、親戚の方の介護をされたときに飲み込めることですこし嬉しそうにする様子をみてこの課題について本当に理解ができた、という体験をお話をいただきました。

エスノグラフィックリサーチのように、痛みや喜びと直に接している人と実際に交流し「右脳で理解する」ことが大事なんだなと、強く納得してしまいました。

しっかりとしたコンセプトを持った事業が生まれる良い例を見せていただいたようで非常によい学びになったと思います。

自分がサービスをデザインする際も、公開されている情報(これはこれで重要)だけに頼らず、ユーザーに寄り添って自分事として考えていかないとですね。

投稿者: SHUNSUEKE TSUTSUMI

株式会社ナコード代表。 サービスデザインやUXデザインに関する情報を発信中。